蜀の勝利の神って?

ていうか、ここは一体何処?





-空舞-





「え・・・何?」

なんだこれ

何が起きている?
状況が全く理解できない

目の前の二人は・・・?


ポカンとした顔で二人を見ているに、
劉備はニコニコと嬉しそうな顔をして傍に近づいてきた

目の前で足を止めると、劉備は再び柔らかく微笑んだ


「あぁ、行き成りですまない
私は劉備、字を玄徳と申す」


 「は、はぁ・・・」



正直、驚いた

今まで友達のコスプレとかは見たことはあるけど・・・
ここまで本格的になりきっている人なんて、見たことがなかった


まじまじと劉備の顔を見つめる
それに気づいたのか、劉備は柔らかな笑みを向けた


(なんか・・・、本物の劉備みたい
無双の劉備は本当に優しそうな人だったなぁ・・・)

こんな父親がほしい、と何度思っただろうか
むしろ、今でも思っているぐらいだ
そんなことを考えながら現在の状況を思い出す


まず第一にここが何処なのかわからない
場所を聞かないと、このままだと家に帰れない


「えっと、劉備・・・様?」

「ん、なんだ?」

「ここは・・・一体何処のイベント会場なのでしょうか?」


「『いべんと』??『いべんと』とは一体何なのだ?」

「え!?イベント会場で、コスプレをしてるのではないのですか!?」


「『こすぷれ』?孔明、『いべんと』や『こすぷれ』とは何だ?」



劉備は、少し離れたところに立っている諸葛亮に問う

羽扇で表情は読めないが
不思議そうな顔で劉備を見た


「さぁ・・・私も聞いた事のない言葉ですね」

「ふむ。孔明も知らないのか・・・」



予想外の答えが返ってきた
コスプレしてるから、何処かのイベント会場だと思っていたのに
二人とも『コスプレ』や『イベント』という言葉すら知らないのだ


二人が嘘をついているようにも演技をしているようにも見えない



なんだか、嫌な予感がする




「あの、劉備様。聞きたいことがあるのですが」

「なんだ?」

「此処は何処なのですか?」


「場所か?此処は蜀の成都だ」





 「・・・・・え?」



蜀の成都だと?
あの三国志の?
今の時代だと蜀は四川省のはずだ
あの蜀はもう、存在していない


そんなことあるはずがない
聞き間違えだ


自分に言い聞かせるように頷きながらもう一度、劉備を見た



「此処は、日本ではないのですか?」

「『にほん』?『にほん』とは国の名前なのか?」

「に、日本は私たちが住んでいる国の名前ですよ!?」


「私たちが住んでいる・・・?
いや、此処は『にほん』ではないぞ」





日本じゃない



その言葉に唖然とした


日本じゃないなら
一体何処だっていうの?


さっき劉備が言っていたことは、聞き違えなんかじゃない?
ありえない事をいわれ頭はパニックだ


そんな夢のような、
夢小説のトリップみたいなことあるはずがない!
此処が、あの蜀だなんて



殿。」


「は、はいっ!?」

今まで私の方を見ていた諸葛亮が口を開いた
驚きながらも、諸葛亮を見る


その表情は、やはり羽扇で読み取れない


「色々と理解しがたいと思いますが・・・、落ち着いてください。」

「あ・・・はい、すみません・・・」


殿。貴方は此処が何処だかわかりますか?」

「日本ではないのですか?」



「いいえ、そのような国は存在しておりません」


「!?それなら、此処は・・・っ!」

「先程、殿が申し上げたとおり此処は蜀の成都です。」


「本当に・・・蜀の成都、なのですか?」


「はい、本当です。」



諸葛亮と目が合った

その目は嘘などついている目には見えなかった


真実なんだ、
諸葛亮が言ったことは・・・



私はどうやって此処に?

これが夢小説であるの異世界トリップってやつ?!


ん?蜀ってことは・・・
今、目の前にいる劉備様も諸葛亮も・・・
もしかして本物!?コスプレじゃないの!?

あぁ、もう!
頭がついていかないよ!




「重ね重ねすみませんが・・・、殿。
貴方を此処に呼んだのは、私なのです」


諸葛亮が、申し訳なさそうに呟いた


 「え・・・ええええーっ!?」



現在地発覚

(頭痛と目眩が・・・、どうなってるんだよ)





***
水魚、まだまだ出張る出張る

この二人好きだ!