仲良くなるには
まず何をするべき?
-空舞-
「は、未来・・・というところから来たのですよね?」
「うん。未来っていうか、私の国の名前は『日本』ていうんだけどね」
「日本・・ですか。どんな所なのかまた教えていただけますか?」
「もちろん!いつでも教えるよ」
「ありがとうございます。楽しみにしてますよ。」
「うん!」
急に姜維の足が止まった
いきなりのことだったので、勢いあまって姜維の背中にぶつかってしまった
「わっ!」
「あ!だ、大丈夫ですか!?怪我はありませんか!?」
「大丈夫、ちょっと顔ぶつけただけだから」
私は姜維の背中から顔を離し、安心させるかのように笑った
の笑顔を見て、姜維は申し訳なさそうに呟いた
「す・・すみません」
「気にしなくていいよ?大げさだなぁ、姜維は」
「何やってるんだ?姜維」
私たちがいる後ろから姜維の声とは違う、他の人物の声が聞こえた
今まで聞いたことのない声―――ではなく、ゲームでいつものように聞いていた声
(この声は・・・もしかして!!)
「馬超殿じゃないですか、良いところに」
馬超が笑いながら、歩いていた
(ば・・馬超!!すごい!!金ピカだ・・!)
ドキドキする胸の高鳴りを抑えながら、 私は馬超をこっそりと見た
馬超はの視線に気づいたようで、こっちを見た
「お前が勝利の神か・・・たしか」
「です」
「そう。それだ、それ」
そう言うと馬超は姜維の横にいるの元まで歩み寄ってきて、じぃっと を見る
「な・・なんですか?」
見られているのが恥ずかしい
「いや、とても勝利の神には見えんと思ってな」
馬超の発言に姜維はムッとした
「馬超殿!にそういうことを言わないでください!」
普段、女子関係のことではほとんど怒ったりすることのない姜維だが
まさかこんな事で俺に口出しするとは、めずらしいな、と馬超は姜維を見ながら思った
そしてからかってやりたい気持ちが出てきた
「ほぉ、姜維。いっちょまえにそいつのことを呼び捨てか?」
「な・・!馬超殿!!」
「わ・・私の名前はそいつじゃありません!!」
私の名前はですっていったじゃないですか!と馬超に向かって叫んだ
あれ、もしかして今の発言、空気的に間違えた?
そんなを気にせず、姜維も呼び捨てのことで照れているのか、頬をうっすらと紅く染めたまま馬超を睨む
「何をしているんだ孟起。それに姜維まで」
また聞き覚えのある声が聞こえた
(この癒しの小野坂ボイスは・・・!!)
趙雲!!と思って声のするほうを向いたら
そこには趙雲が少し呆れた表情で立っていた
「子龍か」
「趙雲殿!」
名を呼ばれた趙雲本人は、今の状況が一体どうなっているのか理解できなかった
馬超と姜維を交互に見た後に、姜維の隣にいるが目に入った
「貴方は・・・殿でしたよね?勝利の神の・・」
「え・・あ、はい!そうです。」
名を趙雲に呼ばれて嬉しかったがやっぱり違和感を感じる
「なんで皆「殿」を付けて呼ぶのですか?私に殿付けなんてもったいないです!」
の発言に趙雲と馬超は驚いた
彼女は『蜀の勝利の神』なのだ
だから少なくとも自分たちよりも立場は上になるはずなのに、
自ら『殿』を付けて呼んでほしくない、と言い出したから
「それは・・何故ですか?」
「何故って・・・それは、仲良くなるには呼び捨ての方がいいかな、と思って・・・」
その答えに驚きを隠せなかった
立場など関係なく、彼女は『仲良くなりたいから』自分のことを呼び捨てで良いといった
趙雲と馬超は唖然とした
だがすぐに馬超はくっくっと笑い始めた
「それなら俺もと呼ばせてもらうが、いいか?」
嬉しそう、というより楽しそうな馬超の顔
「それでは・・私もと呼んでいいのか?」
趙雲も馬超に少し遅れて問う
二人の問いに、は満面の笑みをした
「もちろん!よろしくお願いしますね。趙雲・・殿、馬超・・殿」
さすがにこの二人のことは呼び捨てできない
姜維とは年齢が近い。だけど馬超や趙雲とは年齢が結構離れている
言いにくそうに名前を呼んだのが伝わったのか、二人とも疑問を持ったような顔をしている
「何故、俺達には殿を付けて呼ぶんだ?」
「え!だって・・年齢とか・・離れてるし、年上だし・・」
「そんなこと考えなくてもいいぞ?」
「孟起の言うとおりだ 。私達のことも呼び捨てでいいが?」
迷う。
そんな事言われると呼び捨てで呼びたくなる
だけど、自分の立場から考えるとやっぱり呼びにくい
(ど・・どうしよう・・)
馬超と趙雲の顔を見た
二人とも、何を気にしているのか?という表情をしていた
馬超が、静かに口を開いた
「仲良くなりたいのではなかったのか?」
その言葉はさっき自分が二人に言った言葉だった
「仲良く・・なりたい」
そう呟くと、馬超はにぃ、と笑った
「なら呼び捨てでいいだろ?立場など気にしなくて良い」
馬超の一言に気が軽くなった気がした
凄くくだらないことなのに、安心できる
「趙雲殿は・・いいの?呼び捨てでも」
「ん?あぁ、別にいいが?好きなように呼んでもらって」
「それじゃ・・趙雲と馬超・・で」
「ん。あぁ、あと、敬語とか使わなくていいからな。姜維にだけ敬語使ってないんだろ?」
馬超は姜維に近づいて姜維の耳元で囁いた
(お前だけ特別ってのはダメだからな)
そういってケラケラ笑いながら姜維の傍を離れると
姜維は顔を真っ赤に染めていた
「な・・!なんですか!馬超殿!!私は、別に・・!」
「姜維もこう言ってるんだ。気軽に話してくれ」
「え、あ、うん」
「ですから!!馬超殿ー!」
姜維をからかって楽しんでいる馬超と
からかわれていることに気づいていないのか、顔を真っ赤に染めている姜維
趙雲はいつもの光景に、よく飽きないな、と呟いてため息をつき、の隣に行く
は馬超と姜維と話していたため、趙雲が隣に来てることなど気づいてなかった
「私も、気軽に話してもらっていいからな?」
「うわっ!」
急に上から声が聞こえてきたと思えば、いつの間にか趙雲が自分の隣に来ていた
「ちょ・・趙雲」
「私だけ敬語というのも変だろう?」
「それは・・確かにそうだね」
「そういうことだ」
姜維をからかってる最中に、二人の楽しそうな会話が聞こえたのか、
馬超は姜維をからかうのをやめて二人の元へ行き、の肩に手を置いた
「そうだ、もう一人お前に紹介したいやつが」
「あ・・!従兄上ー!!!!」
今まで聞いたことの無いよく通る声が
私の耳に響き渡った
仲良くなりたい
(そう願ったのは、私自身)
***
槍族揃ったやっほーい!
扱いの差が激しいですな、アキラさんよぉ