目を開けると

茶色の綺麗なセミロングが視界に入った





-空舞-





あれ?家にメイドさんなんていたっけな
その前に一人暮らしじゃん、私。

何があったんだっけ?
ここは・・・そうだ。
劉備と諸葛亮に蜀に呼ばれて・・・
槍族と岱ちゃんに会って・・

そして姜維にやたら広い部屋に案内されたんだった
ベッドみたいな所に倒れこんでいつの間にか寝ちゃったんだ・・・


そこまでは思い出せたけど
あの女の人は誰?
女性キャラは月英さんと星彩ちゃんしかしらないんだけど・・



「あの・・」と声をかければ、その人は私に気づいたのかこちらを振り向いた


茶色のセミロングに翠色の目をした、綺麗な女性だった
年齢的には二十歳ぐらいで、お姉さんといった優しい雰囲気




「お目覚めですか、様」

「あれ?私のこと知ってるんですか?」

「もちろんですよ。有名な方ですからね」



有名って・・・私、昨日来たばかりなんだけどな
そう言おうとしたけど、微笑む女性の笑顔があまりにも美しかったので、見とれていた
そうだ、この人はいったい誰なんだろ?



「あの・・貴方は」





―コンコン





戸を叩く音がした
なんという絶妙なタイミング
女の人は戸のほうに駆け寄った
おかげで、質問できなかったじゃないか




「どなた様ですか?」
「姜維です、は起きましたか?」




開いた戸の隙間から姜維が見えた
姜維、と呼んでみると目が合って、微笑んでくれた
相変わらず、かわいらしい笑顔!
女の私が見習いたいぐらいだよ



をお借りしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「えぇ、もちろんです」



そう言うと女の人は私の手を優しく引いて、戸の前まで連れてきてくれた


「あ、ありがとう」

「いえ」


女の人は笑顔のまま、私を送り出してくれた
手、小さくて指は細かったなぁ・・
理想の女性像って感じだったし・・
あとで名前とか聞かないと!






「すみません、寝起きでしたか?」

「大丈夫!私が寝すぎてただけだから」

「それならよかった。丞相に城内を案内するように言われてまして」

「城内を!?楽しそう!」



私の反応が面白かったのだろうか
姜維は口元に手を当ててクスクス笑う



「結構広いですよ?」

「大丈夫!体力には自信がある!」

「あ、一人でうろついてはだめですよ?」

「なんで?」

のことですから、迷子になってしまいそうで・・」

「きょ、姜維!!いや・・方向音痴なのは確かだけどさ・・」

「それなら、ちゃんと着いて来てくださいね?」

「はーい」





姜維は私の数歩前に立ち、右手を差し出した
む、これは本当にとっ捕まえておかないと、勝手にどこかに行くと思われているのか?

だけど、あの姜維の手を握るなんて、滅多にないことだ
ご好意に甘えて、握らせてもらおう


そっと姜維の手のひらに私の手を重ねた


顔はかわいらしいけど、姜維の指は細くて長く、それにゴツゴツと角ばっている
男だということを改めて実感させられる



じーっと姜維の顔を見ていると首を傾け、どうました?と、問われた
なんでもないよ、というと姜維は不思議そうな顔をした後、なぜか何かを思い出したような表情になった



「あ」

「どうしたの?」

「少し取りに行きたいものがあるのですが・・・私の部屋まで行ってもらえませんか?」

「うん、いいよ」

「ありがとうございます」



さっきと正反対の方向へ歩き出した
私に気を使ってくれているのか、歩幅を合わせてくれている

・・・姜維って優しいなぁ
こんなお嫁がいたら・・!





なんだかんだ考えているうちに姜維の部屋の前に着いたらしく、少し待っててくださいね、と言われ手を離された
離れていくぬくもりが少し寂しいと、と今まで考えたことの無かったことを思っていた


部屋に入った姜維の後姿を見た後、また少し考えだした



蜀ってことはゲームの中だよね?
実際の歴史とは違うし・・・
でもゲームの中でもないかもしれない
岱ちゃんはゲームにでてこないし

・・・ここってオリジナルの世界なのかな
うーん、まだわかんないことが多いなぁ
呉や魏はどうなってるんだろう・・




考えてるうちに目の前の戸が開いた


「お待たせしてすみません。忘れ物があったので」


忘れ物とは、姜維が左腕に抱えているものだろう
なんだか竹?っぽい素材でできている円柱の入れ物

「何?それ」

「秘密です。後のお楽しみ、ということで」




秘密といわれると、余計気になるのが人間の性!
と、心の中で呟きながら
再び姜維が差し出してくれた右手を握り、
姜維に引っ張られるまま、城内を歩き出した




迷子注意報

(手を、離さないでください。迷いますから)






***
女の人は無双4のMy護衛兵士
天下の奇才羽扇使いの費綺です!
通称:綺姉(あやねえ)

姜維が一番出張ってる・・